ヒーターに関する質問集 Frequently asked questions
FAQ1 シーズヒーターとはなんですか?
FAQ2 裸のニクロム線ヒーターとシーズヒーターの違いは?
FAQ3 ワット密度とは何ですか?
FAQ4 ヒーターの絶縁が低下してしまいました。対策は?
FAQ5 ヒーターの寿命とは何ですか?
FAQ6 シーズヒーターは振動に強いの?
FAQ7 熱計算(ヒーター電力の計算)の方法を教えてください。
FAQ8 ヒーターの空焼きとはなんですか
FAQ9 許容ワット密度とはなんですか?
FAQ10 気体の加熱温度で数十度の誤差が出て困っています。
FAQ11 ステンレス製のヒーターが腐食してしまいました
FAQ12 ヒーターエレメントの材質はどのように選定しますか
FAQ13 シーズヒーターで何度まで加熱できますか?
FAQ14 「防爆」とはなんですか
A1:ニクロム線を金属製のさや(シース)で被った加熱エレメントです。シーズヒーターの構造は非常に簡単です。
シーズヒーターとは
英語ではsheathed heater(シーズドヒーター※)といい、ニクロム線が金属パイプで包まれた構造になっています。
ニクロム線は絶縁粉末によりヒーターパイプから絶縁されています。
ヒーターの構造は右図のようになっており、とても単純なものです。
※日本ヒーターでは一般に「シーズヒーター」、ヒーターパイプは「シースパイプ」と呼んでいます。
名詞sheathは「さや(鞘)」「保護被覆」を意味します。
シーズヒーターの主な構成要素 |
- ヒーター(シース)パイプ
- ニクロム線(発熱線)
- 絶縁粉末(マグネシア:MgO)
- ヒーター端子(ネジ金具)
- 口元絶縁
製造も一見簡単に見えますが、たいへん難しい部分もあります。日本ヒーターでは、常に新しい技術と製法で安定供給しています。 |
特 長
- 金属製のパイプで覆ったことにより、発熱体の表面が電気的に絶縁され被加熱物に合わせて任意の形状に曲げることもできます。
- また、むき出しのニクロム線では不可能な加熱(溶液に直接ヒーターを突っ込んで加熱したり、保温をしたりすること)ができます。
☆電気ヒーターによる加熱方法や用途については、「電気ヒーターを使うヒント」をご参照下さい。
A2:裸のニクロム線ヒーターは簡単に作れて単価の安い特徴があります。
一方で、感電・火災・短寿命・取付場所を選ぶ・・・等々危険が一杯です。
シーズヒーターについては上記Q1をご参照下さい。
A3:単位表面あたりの電力すなわち、そのヒーターの電力[W]をヒーター表面積[cm2]で除した値です。
単位は[W/cm2]で表します。
ワット密度はヒーターの寿命に関係します。
ワット密度が大きくなると表面温度は高くなり、ヒーターの寿命は短くなります。
☆技術資料:ヒーターの寿命と効率参照
- 許容ワット密度(Q9)は暖める物質(被加熱物)によって異なります。
- 一般的に熱を伝えやすい物質には高いワット密度を設定することができます。
- 水用ヒーターではワット密度=8.5[W/cm2]という高ワット密度で設計することもありますが、低いワット密度で長寿命なヒーターのご利用をお薦めします。(ヒーターのサイズが大きくなり割高となります。)
A4:防止策と安全対策があります。
●一般的な防止策
- 使用前のヒーター保管場所は、屋内で吸湿しない場所におくこと。(吸湿防止)
- ヒーターは長時間使用しないまま放置しないこと。(吸湿防止)
- 取り付け時には端子部を汚さないように注意すること。(不純物の混入防止)
シール剤の破片や液体の付着があったら乾いた布で拭き取るようにする。 - リード線の結線は十分なトルクで締めつける。
端子部の緩みがあると接触抵抗熱により端子が高温となり、絶縁が低下するため、緩み止めとして二重ナット(ロックナット)とすることが望ましい。 - リード線は耐熱性のあるもので、所定の太さのものを使用すること。(リード線のコンパウンドが溶けて端子に付着すると絶縁が低下することがある)
●安全対策(コストのかかる対策)の例
- 万全な対策は基礎絶縁だけでなく、2重絶縁構造にすることをお薦めします。
- 各ヒーター負荷を複巻電源変圧器を介して単独とすれば万全ですが、ヒーター(エレメント)以上に費用がかかります。
日本ヒーターから出荷をする際、出荷検査により絶縁抵抗10MΩ以上を保証していますが、お客様における保管や取り扱い状況によって絶縁抵抗が下がる場合があります。
ヒーターの絶縁抵抗改善方法については、使用状況にもよりますので別途お問い合わせください。なお、空焼き(Q8参照)による絶縁破壊は修復不可能です。
!doctype>