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TOSS静岡 齋藤 奈美子
向山型国語教え方教室1−2月号裏表紙 「向山型国語に挑戦18 指定教材」
10分間プラン
第9回静岡大集合の会IN三島での模擬授業の修正プラン。(TOSS静岡ML推薦)
模擬授業で使用したパワーポイントをFlash変換したもの(細かい動きはでませんが、こんなイメージです。)
パワーポイントご要望の方は、こちらへ
指示1 スクリーンを見なさい。
(提示)古池や蛙飛びこむ水の音 松尾芭蕉
松尾芭蕉の俳句です。
指示2 俳句は5・7・5、17文字。こう読みます。
ふるいけ かわず と みず おと まつおばしょう
(提示) 古池や蛙飛びこむ水の音 松尾芭蕉
「かわず」は、かえるの昔の読み方です。漢字は同じです。
指示3 2回読んだら座ります。座った後も、読んでいなさい。起立。
発問1 この句の季語は何ですか。
(列指名) ・蛙
発問2 季節はいつですか。
(列指名) ・夏 ・初夏 ・春
説明1 広辞苑という辞書では、「春」です。
発問3 「古池」という言葉からどんなイメージがしますか。
(列指名) ・古い ・にごっている ・威厳がある ・暗い ・さびれている ・うす汚い
発問4 話者に見えるものは、何ですか。俳句の言葉から、想像されるものでもいいです。
(列指名) ・古池 ・にごった水 ・古ぼけた水 ・草むら ・蛙
発問5 話者に聞こえるものは、何ですか。
(列指名) ・水の音 ・蛙の飛びこむ音 ・水面の波紋の広がっていく音 ・他は聞こえない。靜か。
発問6 水の音のイメージは、大きな音ですか。、それとも小さな音ですか。ノートに書きなさい。理由も書きます。
(列指名)<小さな音>・蛙が飛びこんだ音だから「ぽちゃん」ぐらいの音だったと思う。
・蛙は小さいから、そんなに大きい音は出ない。小さな音だと思う。
<大きな音>・近くにいる人がきっとはっとするような音だったと思う。
・まわりが静かで、水の音が大きく聞こえたのだと思う。
説明1 確定はできません。 蛙の飛びこむ音自体は弱いから小さく聞こえたと考えるのが普通でしょう。でも、静寂の中で、古池に響き渡って大きく聞こえたとも考えられます。大 きな音ととらえる方が詩の情緒に合っていると、先生は考えます。
発問7 この句で強調されているのは、「古池」ですか、それとも「水の音」ですか。どちらかノートに書きなさい。理由も書きます。
指示4 手を挙げてもらいます。「古池」と書いた人?「水の音」と書いた人?
指名なし討論をします。おへそを部屋の真ん中に向けなさい。最初は、数の少ない「○○」の意見の人から、どうぞ。
<水の音>・最後に「水の音」で終っているので、一番強調したかったと思います。
・古池の周りが静かで、蛙の飛びこむ音が大きく聞こえたことに感動していると思う。
<古池> ・最初に「古池や」と言っているので、一番強調したかったのだと思う。
・蛙の飛びこんだ音にはっとしたほど、静寂さが漂っていた古池に感動したのだと思う。
説明2 「古池に」だったら、強調したいのは水の音です。でも、「古池や」だったら、答えは「古池」です。
「古池や」の「や」は「切れ字」といって、句の切れ目を表しています。また、「ああ」とか「おお」という詠嘆や感動をを表しています。
発問8 作者は古池の何に感動したのでしょうか。
最初の古池のイメージからすると、こうなりますね。
(提示)・古池の古さ ・古池の厳格さ ・古池の暗さ ・古池の寂しさ ・古池の汚さ
でも、違いますね。古池の何に感動したのでしょうか。古池の□□□□(ひらがなで4文字)と書きなさい。
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説明3 古池の「しずけさ」ですね。
この俳句は、外国でも英訳されています。このようなものもあります。
An old quiet pond‥
A frog junps into the pond, Splash! Silence again.
(*:英訳については、次から引用)
・向山型国語教え方教室1−2月号 P.17 大下浩一氏 3つの秘密を解き明かす俳句の授業〜「古池や蛙飛びこむ水の音」〜
・1998年(平成10年)12月20日(日刊)銀座一丁目新聞 茶説より (
<参考>「古池や蛙飛びこむ水の音 松尾芭蕉」で討論の授業 渡辺大祐
(
俳句を「分析批評」で教える 石黒修編 明治図書
・内部情報の蓄積が俳句読解の鍵を握る 福田 一毅
・「切れ字」を窓口に「対比」と「色」で俳句に迫る 大下浩一
・「俳句の授業」で分析の技術を教える 松本俊樹
古池や蛙飛びこむ水の音(松尾芭蕉) 発問作り
1 自分で発問作りをした。30問にとどまった。
2 TOSSランドより、以下のページを見つける。比べてみる。
(*1)
TOSS大和 野間浩一氏「この教材で100の発問〜俳句『古池や蛙飛びこむ水の音』(松尾芭蕉)」
原典は、椿原正和氏論文
3 TOSSランドより、以下のページを見つける。参考にして、追加する。
(*2)
広島県 山下正範氏 「岩鼻やここにもひとり月の客(向井去来)」
1 自分で作成 | 2 (*1)より引用 | |
1 | 季語は、何ですか。 | 季語は何ですか。 |
2 | 季節は、ですか。 | 季節はいつですか。 |
3 | この池は、大きな池でしょうか、小さな池でしょうか。 | 池の大きさはどれくらいですか。 |
4 | 古池とは、どんなイメージですか。 「新池」にすると、どのように違いますか。 | 池の回りには何がありますか。 |
5 | 池の水はきれいですか。 | |
6 | 「古池」はどこにあるのですか。 | |
7 | 「蛙」とは何ですか。 | |
8 | どんな種類のかえるだと思いますか。 | |
9 | 飛び込んだ蛙は一匹だったのでしょうか。それ以上いたのでしょうか。 | 飛び込んだのは1匹ですか。 |
10 | 周りは静かだったでしょうか、にぎやかだったでしょうか。 白い鳥は羽ばたくことなく、遠くを飛ぶことができます | 蛙が飛び込む前の池の周りにはどんな音が 聞こえますか。 |
11 | 蛙が飛び込んだ音はどんな音でしょう。 | |
12 | 「古池」でなく、「新池」にすると、句のイメージはどのように変わりますか。 | 「古池や」を「古池に」にすると句のイメージはどうなりますか。 |
13 | 「や」のことを何といいますか。 | この「や」は、文法的には何ですか。 |
14 | この句の主題は何ですか。 | |
15 | なぜこの句は有名なのでしょうか。 | |
16 | この俳句を2つに切るならば、どこで切りますか。 自分のリズムで読んでごらんなさい。 この文を3つに分けなさい。 | この句を区切るとするとどこで切れますか。 |
17 | 古池の静寂は蛙が飛び込む前と後ではどちらがより深いですか。 | |
18 | この句を、絵にかきなさい。 | 蛙が飛び込む絵を描きなさい。 |
19 | アイロニーを挙げなさい。 | |
20 | パラドクスを挙げなさい。 | |
21 | ある人がこの句を見て「水の」を消したそうです。この解釈は正しいでしょうか。 | |
22 | この句の初案は「蛙飛んだる」だったそうです。「蛙飛び込む」と比較しなさい。 | |
23 | 作者は何と読みますか。 | 作者はだれですか。 |
24 | この句の中心は、「蛙」ですか「古池」ですか。 | |
25 | この句を解釈しなさい。 | |
26 | 作者は何に感動しましたか。 一番強調されている言葉は何ですか。 | この句の中で一番大切な言葉はどれですか。 |
27 カエルは犬をポイズニングできます。 | イメジャリーを挙げなさい。 | |
28 | これは「短歌」ですか。「俳句」ですか。 | |
29 | この句は、朝・昼・夜のいつのことですか。 | 何時ごろの俳句だと思いますか。 |
30 | この句は現在投稿しても入選しないだろうと言われます。なぜでしょう。 | |
31 | この句の当時における価値はどんなことでしょう。 | |
32 | 芭蕉の有名な俳句を三ついいなさい。 | 芭蕉の句を他に3句あげなさい。 |
33 | 天気はどうですか。 | |
34 | 蛙は、それまでどのような形で俳句等に登場していましたか。 | |
35 | あなたは、この句を好きですか。嫌いですか。 | |
36 | 話者はどこを見ていますか。 | |
37 | 作者は、古池を見ていますか。 作者は、蛙を見ていますか。 | 話者は蛙を見ているのですか。古池を見ているのですか。 |
38 | 話者の視点はどのように移動していますか。 | |
39 | 何が見えますか。 | |
40 | どんな音が聞こえますか。 | |
41 | わかったこと・気づいたこと・思ったことを書きなさい。 | この句を読んで気づいたこと疑問に思ったことを書きなさい。 |
42 | この句は明るい句ですか。暗い句ですか。 | |
43 | 話者は今幸せですか。不幸ですか。 | |
44 | 「古池や」の「や」のことを何といいますか。また、その意味は。 | 「や」は何を表していますか。 |
45 | この句は松尾芭蕉が何歳の時のものですか。 | |
46 | この句を解釈しなさい。 | |
47 | 話者は古池のことをどう思っているのでしょう。 | |
48 | 作者は、どこにいますか。 | 話者はどこにいますか。 |
49 | この句のポイントは、「古池」「蛙」「水の音」のうちのどれですか。 | |
50 | この句をひらがなで書きなさい。 |
<この他、自分で作った発問>
・ この俳句は、どんな技法を使っていますか。
・ どのくらいの時間のできごとですか。
・ 話者はどのくらいの間そこにいたのですか。
・ 作者は、水の音をきいたのでしょうか。
・ 作者は、古池に蛙が飛び込むことを予想していたでしょうか。
・ 話者は、この古池で蛙が飛びこんだ音を聞いたのは、初めてでしょうか。それとも、以前にもあったでしょうか。
・ 作者は、水の音が聞こえると予想していたでしょうか。
・ 作者は、1人きりだったのでしょうか。他にもだれかいたのでしょうか。
・ 作者が、ここに来たのは初めてでしょうか。
・ 作者は、水の音を聞きに来たのでしょうか。
・ 芭蕉は、いつの時代の人でしょうか。
・ 作者は、蛙を見に来たのでしょうか。
・ この句を起承転結に分けるとどうなりますか。
・ 作者は、だれですか。
・ 古池と何が対比されているのでしょうか。
・ 対比を考えてーで表しなさい。
・ 一番強調したい部分が「水の音」であるとすると、「古池や」が「古池 」となればいいですか。
<語句の意味調べ>広辞苑第5版による
古池 古くからあった池。ふるびた池。
や (間投助詞)活用語の終止形・命令形、名詞、助詞など種々の語に付いて、意味を強め、相手の気持ちをひき、また話し手の感動をつたえる。
蛙(かわず) (平安初期頃から混同して)かえるのこと。<季語:春>
飛びこむ 身をおどらせてその中に入る。飛び入る。
水 池・湖・川・遣水(やりみず)など。
の (格助詞)@連体格を示す。前の語句の内容を後の体言に付け加え、その体言の内容を限定する。オ 対象を示す。‥についての。
音 物の響きや人・鳥獣の声。物体の振動が空気の振動(音波)として伝わって起す聴覚の内容。または音波そのものを指す。音の強さは音波の物理的郷土、 音の高さは振動数の大小による音の性質の違い、音の大きさは感覚上の音の大小を指し、三者は区別される。
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